ポポロ広場からコルソ通りを南下すると、左手に伸びる通りの先にスペイン階段が見える頃、コンドッティ通りよりも一本北寄りの通りがコルソ通りと交差する向かい側に、教会がありました。雨天にも係わらず、ファサードの色彩は沈んでいません。

興味を持って正面入口に近寄ると、入口上に“BASILICA DEI SS AMBROGIO E CARLO”と名称プレートが掲示されていました。ガイドブックでは、地図上に“Ss. Ambrogio e Calro al Corso”と記されています。「アンブロッジョ・カルロ教会」と呼んでいいのか、通称「コルソ教会」なのか、S.M.デル・ポポロ教会見学を断念して、スケジュール的に時間の余裕が出来たので、立ち寄ることにしました。この時点で7時半になる頃だったと思いますが、この教会の開館時間は7:00〜12:30、17:00〜19:30ということで、オープンしていました。ちなみに、教会脇にはタクシー乗り場があり、滞在中、2度ほど利用しました。

開かれた扉から入ると、誰もいませんでした。扉を背にして、主催壇を正面に見る位置から立って見ると、三廊式の身廊を仕切る角柱列柱の横縞模様と床の幾何学模様のモダンさが第一印象です。

よく見ると、角柱の横縞模様は、コンクリート地(のように見える素材)にペイントしているとわかりました。この教会は1600年代には存在していたようですが、このモダンさは不思議です。たとえば、修復工事を施され、風合いが新しく見えるようになったとか?

両側の身廊に面して設えられた礼拝堂。主催壇に近い両側の礼拝堂は対のようなデザインです。列柱のモダンさと異なり、マーブル模様の大理石のコリント式柱を組み込んだり、聖人の彫刻や天使がふんだんに用いられていて、これはバロック様式でしょうかね。

ペイントされた柱の背後に聖母子像が建っていました。台座のプレートを見ると、“S. TERESA”の文字が。聖テレーザなのでしょうか。昨夜見学した、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会の“聖テレーザの法悦”のテレーザとは趣がずいぶんと違って見えます。こちらの聖テレーザは無償の微笑みで、新しく見えるものに有り難味を欠く旅人の心を穏やかにさせてくれます。




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