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ヴェネト通りがバルベリーニ広場に合流したところで、辺りの通り表示を確認。クワットロ・フォンターネ通りを見つけ、やや上り坂のその道を進むと、目的の館の広い門の前まで辿り着きました。一日中降り続ける雨は、しぶとく小糠雨になりながら、地上の全てを濡らし続けています。 4年ぶりの再訪ですが、パームツリーを懐かしく見ながらも、建物の記憶が甦りません。前回は日中に訪れ、このようなライトアップ照明に浮き出された一階部分の印象がないからかもしれません。 お目当てはもちろん、下記の作品。 ※作品サンプル画像は拙宅の昔のバルベリーニ宮(国立古典絵画館)資料をご参照ください。 |
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【ラファエッロ】 フォルナリーナ (Fornarina) 【カラヴァッジョ】 フォロフェルネスの首を切るユーディット (Giuditta che taglia la testa a Oloferne) ナルシス(ナルキッソス) 展示作品外では、 ボッロミーニが係わったとされる螺旋階段。 |
チケットを購入したカウンター横のロッカーに手荷物を預け、カウンター横の入口から入場すると、1つ目の部屋をスルーして、会いたかったフォルナリーナと念願の再会。 描かれたフォルナリーナの明るい微笑みも好きですし、この作品が、ラファエッロの作品の中で、ワタシにとってベスト3に入るお気に入り。二人の関係物語も好き。そして、フォルナリーナの腕に描かれたバングルのブルーが、“ブルー・フェチ”という分類があるかどうかは知りませんが、それくらい好きで、どれだけ見つめていても飽きない宝石のようなブルーが堪りません。 一通りの部屋を順に見学したところ、カラヴァッジョ作品が見当たりません。ひょっとして、他所の展示会に出張しているのかと不安になりました。順路を逆行して歩いていると、係員に見透かされたらしく、質問をしていないのに、「カラヴァッジョの展示は、一旦、入口を出て、次の間の売店を通り越した先の部屋にある。」と教えてくださいました。 4年前とは展示場所が違っていたのです。大広間のような広い空間。照明を落とした薄暗い環境の中、カラバッジョの作品2点はピンスポットが当てられ浮かび上がり、他の作品をコの字型に囲んだ中央に展示されていました。とても、効果的な展示方法で、4年前の記憶は絶対に甦らないほど新鮮で鮮明な印象に打ちのめされるほどです。 絵画から数メートル離れたところに、背もたれの無い低いソファが置かれていて、そこに腰を下ろして眺めたり、立ち上がって、至近距離まで近付き、筆のタッチまで確認したり、行ったり来たりしましたが、徒歩の動作なのに、深い呼吸の繰り返しで、胸の高鳴りが静まりませんでした。 フォロフェルネスの首を持ったユーディットの眉間の皺の寄り方は何度近寄って見ても、リアルさに写真のストレートさとは異なる表現で感情を映し出しているし、ナルシスの水面に顔を寄せる少年のブラウスの生地紋様の精密さにも、上質なブラウスを身にまとう少年の自分大好きなオシャレ感を感じてしまうのでした。もちろん、水面に映る自分をに見とれるような少年の表情にナルシスの由縁があるのも、伝わります。 あれ? この作品以外に、広間の反対側の壁にもカラヴァッジョ作品が掲示されていたような気がしましたが、一時間ほど前に見学したボルゲーゼ美術館のカラバッジョの作品が掲示された部屋と記憶が混ざってしまったのかもしれません。大広間を囲む四方の壁には数多くの絵画が掛かっていましたが、フォロフェルネスとナルシスの2点があまりにも衝撃的な感動を与えてくれたせいで、何を見たか、わからなくなりました。 そう言えば、ボッロミーニが係わったとされる螺旋階段。展示室ではない建物の一部なので、見学の後で写真を撮ろうと思っていながら、忘れました。 |