バルベリーニ宮(国立古典絵画館)での見学を終えて、時間を見るとまだ、18時になる前でした。当初の見学日程では、ここで一日を終えて、トレヴィの泉経由でナヴォーナ広場方面へ戻り、付近のトラッテリアで夕食という算段でした。しかし、さすがに、日本を発ってから24時間以上経つと、くたびれました。折角調べたトラッテリアまで徒歩移動する気力は萎えました。かと言って、時間的にはまだもう一ヶ所、見学できる余裕があると判断。「ここからなら、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会へ行けるかも。」と思いつき、ガイドブックのマップで位置を確認。一旦、バルベリーニ広場に戻り、バルベリーニ通りを道なりに上って、クイリナーレ通りと交差する大きな交差点を目指せば、その角に教会はあるハズです。

やって来ました、“サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会”。

完全に日が落ちる夕闇の中、教会入口から漏れる明かりを頼りに名称確認をすると、確かに、目当ての教会でした。

目当ては、ベルニーニ作の“聖テレーザの法悦”。上の写真がそれです。

想像していたよりかは小さな彫刻でしたが、高い位置にあって、天使と向き合うテレーザの表情がよく見て取ることができなかったのが、残念。しかし、全体の構図、動作を見るだけでも、辞書にある「法悦」記述が、その通り具現化されていると感じました。入る余地のないエモーションがそこに存在します。

帰宅後に調べたところ、ベルニーニはその輝かしい功績の中で、一時、干されていた時期があり、この作品は、その頃(1640年代後半)の傑作と評されているようです。

この“聖テレーザの法悦”が設けられた礼拝堂は、主催壇の左側で、主催壇に一番近い位置にあります。教会内部は、単廊式でコンパクトですが、その両側に3つずつ礼拝堂が設けられ、装飾にはふんだんに天使が用いられていて、時間を忘れる空間でした。

また、表には、入口並びに聖母子像が立っていて、7年ぶりの再会を果たせました。実は、初めてローマを訪れた7年前、お宿がこの近辺で、毎朝、最寄り駅に向かう途中に、この像を目にしていたのでした。

教会内部の雰囲気は下のスナップ写真の通りです。夜の見学で、明かりが乏しく、鮮明じゃないのが残念。


教会正面入口。ファサードを含む前景を撮るには道路を渡って向かい側でないと無理。 入口並びに立つ聖母像
主催壇から振り返って見た教会内部。中央は入口ドア。 見上げると、天使が一杯。
主催壇。 太陽を象徴しているのか、中心の彫り物はお天気マークのアポロンのよう。 放射状の金色物体は“聖テレーザの法悦”の上部から差す金色オブジェと同じ?




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